第66回学科専門問1

問1:問題文

気象庁で作成している推計気象分布について述べた次の文(a)~(c)の下線部の正誤の組み合わせとして正しいものを、下記の①~⑤の中から1つ選べ。

(a) 推計気象分布では、天気、気温、日照時間の分布が約 1km 四方の細かさで提供され、10 分毎に更新される。

(b) 天気の推計気象分布では、レーダー観測の非降水エコーや雨量計の異常値が現れた場合には品質管理によって補正されるため、「雨」や「雪」として表示されることはない。

(c) 気温の推計気象分布は、アメダスの観測値に加え、メッシュ平年値などを使用し、標高による気温の違いも考慮して推計されている。

(a)(b)(c)
①正正誤
②正誤正
③誤正正
④誤正誤
⑤誤誤正

⑤ (a) 誤, (b) 誤, (c) 正

解説

気象庁が提供する推計気象分布に関する問題です。

(a) の解説

問題文

(a) 推計気象分布では、天気、気温、日照時間の分布が約 1km 四方の細かさで提供され、10 分毎に更新される。

(a) は誤文です。

この情報は、面的には約1km四方のメッシュの細かさで、天気は5種類(晴れ、くもり、雨、雨または雪、雪)、気温は0.5℃毎および日照時間は0.2時間毎のそれぞれの単位で表します。また、1時間毎に更新します。

引用元;気象庁HP

誤りのポイント: 更新間隔が「10分毎」ではなく、「1時間毎」です。

補足: 問題文の前半部分の内容(空間解像度である「約1km四方の細かさ(メッシュ)」や、対象要素が「天気・気温・日照時間」である点)は正しいですが、情報の更新頻度は毎正時(1時間毎)に配信されています。


(b) の解説

問題文

(b) 天気の推計気象分布では、レーダー観測の非降水エコーや雨量計の異常値が現れた場合には品質管理によって補正されるため、「雨」や「雪」として表示されることはない。

(b) は誤文です。

レーダー観測の非降水エコーや雨量計の異常値が現れた場合には、 推計気象分布(天気)で雨、雨または雪、雪として表示されることがあります。

引用元;気象庁HP

誤りのポイント: 品質管理を行っても完全に除去することは難しく、実際には降水がないにもかかわらず「雨」や「雪」として表示されることがあります。

補足: レーダー観測における非降水エコー(虫や鳥、地形による誤検知)や雨量計の異常値は、自動的な品質管理システムで補正が試みられますが、すり抜けて誤って表示されるケースがあるため、「表示されることはない」と言い切る記述は誤りとなります。


(c) の解説

問題文

(c) 気温の推計気象分布は、アメダスの観測値に加え、メッシュ平年値などを使用し、標高による気温の違いも考慮して推計されている。

(c) の解説:【正】

推計気象分布(気温)は、アメダスの気温観測値などを用い、標高による気温の違いも考慮して作成した情報です。

引用元;気象庁HP

まず、「標高による気温の違いも考慮して推計されている。」という部分はその通り。

次に、「メッシュ平年値などを使用し」の部分について。

メッシュ平均値とは、気象台やアメダス観測所がない場所の「平年値(過去30年間の平均的な気候データ)」を、地形や標高などの影響を考慮して1km四方の格子(メッシュ)ごとに推定したデータのことです。

推計気象分布(気温)は、標高による気温の違いも考慮して作成した情報とのことなので、メッシュ平均値を使っているという解釈で良いです。

ベースの骨組み(メッシュ平年値)

あらかじめ「標高」や「地形」による気温差が細かく反映された、日本全国1kmごとの平均的な気温データ(メッシュ平年値)を用意しておきます。

今の肉付け(アメダス観測値)

今現在の各アメダスで「平年より何℃高いか(低いか)」という「差分(平年差)」を計算します。

ブレンド

そのアメダスの差分データを全国のメッシュに広げ、ベースである「メッシュ平年値」の上に乗せます。

このように、「標高による違いがすでに計算に組み込まれているメッシュ平年値」をベースの骨組みにしているため、アメダスのない山の上や谷底の今の気温も、標高を考慮した正確さで推計することができるのです。