「湿球温度( )」は、気象予報士試験において「蒸発冷却」と「未飽和空気の性質」を理解する上でとても重要な指標です。
一言で言うと、「水が蒸発するときの気化熱によって、空気が冷やされたときの温度」のことです。
試験対策として押さえるべきポイントを整理します。
1. 物理的なイメージ
湿球温度計(ガーゼを濡らした温度計)を思い浮かべてください。
- 空気が乾燥しているほど、水がどんどん蒸発します。
- 蒸発するときに熱を奪う(気化熱)ため、温度が下がります。
- この「蒸発がこれ以上進まなくなり、温度が安定したときの値」が湿球温度です。
2. 温度の大小関係(重要!)
空気が飽和していない限り、以下の関係が必ず成り立ちます。
気温(乾球温度) > 湿球温度 > 露点温度
- 飽和している場合: すべて一致します(気温=湿球温度=露点温度)。
- 乾燥しているほど: 気温と湿球温度の差が大きくなります。
3. エマグラムでの見つけ方(熱力学図解)
エマグラム上で湿球温度を求める手順は試験によく出ます。
- ある高度の気温から「乾燥断熱線」に沿って上げる。
- 同じ高度の露点温度から「等飽和混合比線」に沿って上げる。
- 1と2が交わった点(持ち上げ凝結高度:LCL)を見つける。
- その交点(LCL)から「湿潤断熱線」に沿って、もとの高度まで下りてきたときの温度が湿球温度です。
4. 試験で問われる性質
- 保存性: 湿球温度は、雨が降って蒸発が起きるような過程において、「湿潤温位」や「相当温位」と密接に関係しており、空気塊を判断する指標になります。
- 雪か雨かの判定: 地上の気温がプラスでも、湿球温度が氷点下であれば、雪が蒸発冷却で溶けずに「雪」として降ってくることがあります。
実戦的なアドバイス:
「湿球温度は、乾熱(乾燥断熱線)で上がって、湿熱(湿潤断熱線)で戻ってきた温度」と覚えると、エマグラムでの作図ミスが減りますよ!