飽和水蒸気圧とは

「飽和水蒸気圧」は、気象予報士試験でも計算やエマグラムの理解に欠かせない最重要項目の一つです。

「飽和水蒸気圧」を一言で言うと、「その温度の空気が、水蒸気として持てる限界の圧力(力)」のことです。

試験対策として押さえるべきポイントを3つに絞って解説します。

1. 温度にだけ依存する

飽和水蒸気圧( ese_s)の最大の特徴は、「温度( TT )が高くなると急激に大きくなる」という点です。

  • 気圧が変わっても、温度が同じなら飽和水蒸気圧は変わりません。
  • この関係を示したのが「アントワン式」や「テテンスの式」ですが、試験では「指数関数的に増える(グラフが右肩上がりのカーブを描く)」というイメージが重要です。

2. 水と氷で値が違う

ここが予報士試験の落とし穴です。

  • 同じ温度(特に0℃以下)では、「水(過冷却水滴)に対する飽和水蒸気圧」の方が、「氷に対する飽和水蒸気圧」よりも大きいです。
  • 理由: 氷の分子は水よりも結合が強く、蒸発(昇華)しにくいため、限界値が低くなります。
  • 試験への影響: これにより、雲の中で氷の粒が水滴から水分を奪って成長する「氷晶過程」が起こります。

3. 計算式での役割(混合比との関係)

試験問題で計算を求められる際、以下の近似式がよく使われます。

ws0.622×espw_s \approx 0.622 \times \frac{e_s}{p}

  • wsw_s:飽和混合比
  • ese_s:飽和水蒸気圧
  • pp:全気圧
  • 0.6220.622:水蒸気の分子量(18) / 乾燥空気の平均分子量(28.9)

この式から、「気温が上がれば ese_sが増えるので、飽和混合比 wsw_sも増える」という関係性が分かります。


実戦的な覚え方:
エマグラムを思い浮かべてください。右側(高温)へ行くほど、空気はより多くの水蒸気を抱え込める「パワー(圧力)」を持つ、とイメージすると分かりやすいですよ。